越前塗りの箱 Vol.69~72

「角物のつくりかた」

07032201こんにちは千次です。冬も通り過ぎ、産地の平野には青や黄色の小花やつくしが見える季節となりました。春は、生活においても節目の季節です。学校行事では卒業式や入学式、企業では入社式や各種表彰式、お店の新規開店、家の新築やリフォームなど・・・この時期、漆塗りのお弁当箱や食卓用のお膳、名刺盆、進物盆のご注文が増えることからも、そのことが伺えます。

さて、越前は漆器産地の中でも箱や盆といった「角物(かくもの)」(もしくは「板物」といいます)の器が多く作られている産地のひとつです。
同じ漆器でも、お椀などの「丸物(まるもの)」と「角物」とは製作工程が異なるため、分業体制で漆器を製造している産地では、木地づくりも塗りもそれぞれ「角物」と「丸物」で職人が異なっています。

「丸物」の木地は、桜やケヤキの木を轆轤(ろくろ)にかけてくりぬくように作ります。塗りも轆轤にかけて器を回転させながら塗り上げます。一方で「角物」の木地は、切除して形状加工したカツラやホウの板を組み合わせて漆などで接着させて作ります。上塗りを施す職人は、左右の手を交互に使いながら、板面にきれいに塗りを施していきます。

「箱の蓋いろいろ」

今回は、重箱など箱物の上にのせる「蓋(ふた)」についてご紹介したいと思います。ちなみに、各パーツを一つ一つ製作する私たちメーカーでは、蓋を除いた本体を「親(おや)」または「身(み)」と呼んでいます。三段の重箱は、<「蓋」1枚に「親」が3個の製品>ということになります。
蓋にはいろいろな形があり、基本型は「板蓋(いたぶた)型」、「被せ蓋(かぶせぶた)型」、「合口(あいくち)型」と3つに大別されます。
「板蓋型」は、平らな板を箱にのせて蓋にするイメージの型です。板の内側の面に桟(さん)をつけ、蓋がずれないようにしています。
「被せ蓋型」は、「蓋」の内側の寸法を「親」の外側の寸法より少し大きくしてつくります。「親」に「蓋」をすっぽり被せるイメージです。
「合口型」は、「親」または「蓋」の内側に立ち上がりをつくり、蓋をしたときに「蓋」と「親」の間に段差ができないのが特徴です。「親」の内側に立ち上がりをつくる「印籠型(いんろうがた)」が主流です。
「板蓋型」「被せ蓋型」「合口型」の順で、木地作りから上塗りまでの作業工程が難しくなるため、価格も高価になります。「蓋」の形も、お客さまの用途やご予算に応じて選んでいただくことになります。070330

「箱の蓋いろいろ」

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今回は、重箱など箱物の上にのせる「蓋(ふた)」についてご紹介したいと思います。ちなみに、各パーツを一つ一つ製作する私たちメーカーでは、蓋を除いた本体を「親(おや)」または「身(み)」と呼んでいます。三段の重箱は、<「蓋」1枚に「親」が3個の製品>ということになります。
蓋にはいろいろな形があり、基本型は「板蓋(いたぶた)型」、「被せ蓋(かぶせぶた)型」、「合口(あいくち)型」と3つに大別されます。
「板蓋型」は、平らな板を箱にのせて蓋にするイメージの型です。板の内側の面に桟(さん)をつけ、蓋がずれないようにしています。
「被せ蓋型」は、「蓋」の内側の寸法を「親」の外側の寸法より少し大きくしてつくります。「親」に「蓋」をすっぽり被せるイメージです。
「合口型」は、「親」または「蓋」の内側に立ち上がりをつくり、蓋をしたときに「蓋」と「親」の間に段差ができないのが特徴です。「親」の内側に立ち上がりをつくる「印籠型(いんろうがた)」が主流です。
「板蓋型」「被せ蓋型」「合口型」の順で、木地作りから上塗りまでの作業工程が難しくなるため、価格も高価になります。「蓋」の形も、お客さまの用途やご予算に応じて選んでいただくことになります。

 

「収納便利な入れ子箱」

今回は、現代の住宅事情にもあわせやすい、入れ子タイプの箱を3種類ご紹介します。
【切溜】 朱 渕金
(サイズ 小183×253×80mm、中206×278×80mm 大233×308×80mm 蓋つき)

07041301昔ながらの便利な箱として「切溜(きりだめ)」があります。野菜を切ったものを溜めておくことからこの名前がついたといわれています。その語源のように台所で手軽に使う道具としてもよいし、ハレの日の重箱と同じように料理を盛り付けてテーブルをしつらえることもできる便利な器です。

07041302次にご紹介するのは、真横からみると台形の箱を重ねるタイプの「六角二段入子箱」です。上下の段を入れ替えることで、使うときは二段になり、収納するときは入れ子にして収納できるアイデア商品です。

【六角二段入子箱】 布目(黒、朱)
(サイズ 二段175×155×115mm)

07041303最後に、新作『Kasane HACO』をご紹介したいと思います。日本の伝統的な「三つ組み入子箱」を現代風にアレンジしたものです。 【Kasane HACO】 朱渕金(蒔絵つき)、白渕金
(サイズ 小140×60×33mm、中160×80×39mm 大183×103×44mm 蓋無し) 大・中・小3サイズの箱のうち、小と中の底裏面にL字の溝をつくり、下になる箱の角部分に箱を重ねてのせることができるのが特長で、「インテリアとしての箱」を意識してデザインしています。重ねても下の段の中身が見えるため、料理や小物などを引き立たてるディスプレイ用の漆器としてもお使いいただけます。(宮川千次)