山久漆工の沿革

当社は1930年(昭和5年)、初代 木村甚松に師事して漆塗り(丸物)の技能を習得した山本久太郎(1909‐1995)が創業しました。翌年の満州事変に始まり、世の中が日中戦争、太平洋戦争へと突き進むなか、漆器の需要は激減しその船出は多難を極めるものでした。当社を含む複数の産地メーカーが「漆器組合」としてこの難局打開に奔走、1938年(昭和13年)に造幣局より兵士に授ける勲章箱の受注下命を受けました。また1942年(昭和17年)には供出による金属不足を補うため木製食器の需要が生じ、海軍組織より丼椀・盛り皿・湯呑の3点セットを受注しました。
創業者・山本久太郎は、産地の存亡・生産力維持のため有志と福井軍需製品株式会社を設立し(戦後に解散)、販売に力を尽くして混乱の時代を乗り越えました。戦後は復興に伴い順次注文が入るようになり、1950年(昭和25年)の朝鮮動乱をきっかけに漆器の需要が高まり、現在の基盤を構築しました。

 

年表

1930年(昭和 5年) 4月
創業
1962年(昭和37年) 5月
設立
1964年(昭和39年) 5月
越前漆器協同組合 理事長就任(山本久太郎 1期)
1976年(昭和51年) 5月
越前漆器協同組合 理事長就任(山本一男 1期)
1982年(昭和57年) 6月
山本一男 代表取締役社長就任
1985年(昭和60年) 1月
山本久太郎「勲五等瑞宝章」受章
1987年(昭和62年) 5月
山本一男 鯖江商工会議所副会頭就任(2010年)まで
2004年(平成16年) 7月
福井豪雨被災
2007年(平成19年) 4月
山本一男「旭日雙光章」受章
2009年(平成21年)10月
東京に南青山ショールーム開設
2010年(平成22年)10月
山本一男 鯖江商工会議所顧問就任
2013年(平成25年) 1月
山本泰三 代表取締役社長就任