2013/05/02
5月2日(木)~6月30日(日)の期間中「石川県県立伝統産業工芸館」において、「異種接合展」が開催されます。弊社からは漆器と硝子を組み合わせて完成したワイン・シャンパングラスJAPAN Glassが展示・販売致します。また他では見られないような製造工程のご紹介や、他社の異素材を組み合わせた製品もご覧いただけます。
【イベントの詳細】
会 期 : 2013年5月2日(木)- 6月30日(日)
展示室 : 2F 第4展示室
作品数 : 99点
協 力 : 清峰堂株式会社、株式会社 玉川堂、株式会社 能作、山久漆工株式会社
清峰堂・清水則徳氏が3年の歳月をかけて開発した異素材同士を接合させる技術は、今や九谷焼というやきものの枠を超え、木や金属にも応用されています。そうして生み出された製品は、新しい市場、新たな使い手を獲得しつつあります。
接合剤の開発や接合部分の研磨など様々な工夫と技術開発を進める原動力となったのは、「使ってもらえるものを提供する」、「使い手にとって魅力的な製品を提供する」という想いでした。
本企画展では、伝統という枠にとらわれず、地域を超えて、異なる素材を用いて新たな製品開発に挑戦している作り手を紹介し、その製造工程や製品をご覧いただきます。
本企画展では、接合技術を使った以下の製品群を紹介しています。
<脚の部分の製作者>
・九谷焼の脚 + ガラス(石川県・清峰堂)
・木の脚 + ガラス(石川県・大島東太郎商店、福井県・山久漆工)
・スズの脚 + ガラス(富山県・能作)
・銅の脚 + ガラス(新潟・玉川堂)
・ブラスの脚 + ガラス(東京)
<ガラス部分>
製品によりメーカーが異なっており、東洋佐々木ガラス(東京)、松徳硝子(東京)、 カガミクリスタル(東京)、廣田硝子(東京)、ハピネスサンタ(金沢)のグラスが使用されています。
出展者による製品紹介
■ 「九谷和グラス」(清峰堂)
「九谷和グラス」は、石川県が誇る伝統工芸の「九谷焼」と東京に古くから伝わる地場産業の「江戸硝子」を融合させてできたグラスです。
コンセプトは「和・洋空間を自然につなぐ」グラスです。九谷焼磁器で出来た脚部分の絵付けは全て手描きにこだわり、グラス部分の硝子も全て手作りの吹き硝子のみを用いております。吹き硝子の特長である気泡も見られるなど、工業硝子にはない風情を感じていただけることと思います。
接合部の強度が母材破壊レベルに達していることが高く評価され、2006年度グッドデザイン賞(新領域デザイン部門)を受賞いたしました。
■ 鎚起銅器 ワイングラス(玉川堂)
ルイヴィトン・グループ、世界最高峰のシャンパンメーカー「KRUG(クリュッグ)」と「玉川堂」のコラボレーションでシャンパンクーラーを開発し、現在、フランスを中心とした世界の高級レストランなどで使用されております。さらに欧州市場を開拓すべく、ワイン関連の商材を増加させようと、銅製ワイングラスの開発を企画しました。しかし、銅ではワインの色が見えないという欠点があるため、九谷焼とガラスの接合を商品化していた清峰堂の清水社長へご相談したところ、銅器とグラスを接合させる接着は可能とのお返事をいただき、以来、接着は清峰堂さんにて行なっています。
銅器とグラスを接着させたワイングラスは、欧州の国際見本市にも出展し、世界のワイン業界から高い評価を得ています。今後、さらにワイングラスのバリエーションを増やし、欧州を中心とした世界の高級レストランやバーをターゲットとした市場開発を行ない、ワインを通じて、日本の伝統文化を伝えて行きたいと思っております。
■ Tin-Cry Glass(能作)
Tin-Cry Glassとは錫を曲げたときに発するピキピキという音「錫泣き」の英語表記です。
能作では純度100%の錫を用いたおもしろい器を作っています。錫は金属の中でも柔らかく、手で簡単に折れ曲げることができるほど。
本来、金属としては柔らかいということはデメリットであるはずだが、その錫の特性を活かし形を自由自在に変形できる籠や、使っているうちに手のかたちに馴染むグラスなど、画期的な逆転の発想により商品が生みだされています。今や海外からも注目されています。錫は、酸化しにくく抗菌作用が強いという特性を持ち、金属アレルギーにもなりにくい素材です。また、錫の器に入れたお水は何日も腐らない、お酒の雑味が抜けておいしくなるとも言われ、古くから茶器や酒器などにも使われることが多い素材です。
九谷焼磁器と江戸硝子を融合させた「九谷和グラス」の清峰堂が、その接合技術を応用し、能作製の錫100%の脚に硝子を組み合わせてグラスを作成しました。まっすぐ立っている時にはクールな佇まいを感じさせますが、少し曲げるとコミカルな表情になり、遊び心が感じられるグラスです。
■ JAPAN Glass(山久漆工)
九谷和グラスの接合技術による硝子×漆器・JAPANのコラボレーション。
「JAPAN Glass」は、お椀の生地づくりのろくろ技術により製作した脚部に伝統の越前塗りを施し、九谷焼磁器と江戸硝子を融合させた「九谷和グラス」の清峰堂の接合技術を応用して 硝子を組み合わせて完成させた、日本が誇る伝統技術の結晶ともいえるグラスです。脚部分の素材が天然木ならではの軽さと丈夫さ、手にしたときの心地よい温もり、漆や蒔絵、金箔など日本の職人技で仕上げた「JAPAN Glass」を末永くお楽しみください。
■ Brass☆Glass
ステム部分は真鍮をひとつひとつ削り加工とプレスにより成形しております。
なにより真鍮では類を見ない厚み(2mm)を持たせ、そこに14金メッキを施すことにより、高級感のあるグラスに仕上げました。
Brassは「真鍮」の英語表記です。